秋田県大館市にある秋田犬の聖地、老犬神社に行ってみた
5月の土日に犬を連れて秋田に行ってきた。
もともと1泊2日で羽田と大館能代空港を往復するタイトな日程だったが、あろうことか9時発の飛行機に乗り遅れてしまった。
ゴールデンウイークの後の普通の週末なのに空港は大混雑。駐車場は長蛇の列で、早めに着いたにも関わらず間に合わなかった。
山の中の小さな神社
事情を話して次便に振り替えてもらったが、本来なら10:15着のはずが、大館能代空港に着いたのは14時だった。
時間が無くなったので、急いで十和田湖へ向かい、その帰りに今回の旅の目的地である老犬神社に向かうことにした。
十和田湖から国道103号ひたすら西に走り大館市葛原で脇道に入る。山へと向かうすれ違いもできない麓の道を進むと森の中の広場に出る。そこが老犬神社の駐車場。
そこから古びれた小さな鳥居をくぐり、まるで登山道のような上り坂をしばらく進むと赤いトタン葺きの老犬神社に着いた。
お社はとてもこじんまりとしていて、見るからにうら寂しい山の中の神社という感じだ。
小さなお社は自由に入ることができて、中に入るとこの神社が地元の人に大切にされているのがよく分かる。
老犬神社のいわれ 伝説のマタギ犬シロの悲話
老犬神社は秋田犬の忠犬シロをまつった神社で、鳥居の横の案内看板には、マタギの定六とその愛犬シロの悲しい物語が記してあった。
マタギとしてどこでも猟ができる狩猟免許状を持っていた定六は、ある日相棒のシロと共に獲物を追い、遠く離れた地で狩りをしていました。
その時、許可なく発砲したということで役人に捕らえられてしまい、定六は狩猟免許状を見せようとしましたが、その日に限って免状を忘れてきてしまったことに気が付きました。言い訳も通じず投獄されてしまった定六を救おうと、シロは免状を持ってくるため40km以上の距離を何度も往復して主人を救おうとしますが、やっと救えるあと一歩のところで、定六は処刑されてしまいました。
その後、残された定六の妻と共にこの地にやってきたシロは、ひっそりと亡くなってしまいます。それからというもの、この地を通りかかる武士が数々の悲劇に見舞われるようになりました。主人を守れなかったシロの無念さを知った里の人々は、シロを祀るため老犬神社を建てました。
地域の人々は、この悲話を後世へ伝えるとともに、シロの定六への深い愛情を守り続けています。出典 老犬神社案内版
ウィキペディアには、この案内板よりもっと詳しい伝承が紹介されている。
それによると、定六が処刑されたあとシロが毎夜山の上から恨みの遠吠えを続けると、ある日地震が起きて定六の処刑に関わった人は皆死んだという。
犬をご神体とする日本唯一の神社で愛犬の健康長寿を祈願
秋田犬、忠犬といえば誰もが知ってる渋谷の「ハチ公」だけど、ハチ公よりずっと前に自らを省みず飼い主の命を救おうとした秋田犬がいた。
そしてそのマタギ犬は「神」として祀られた。犬をご神体とする神社は日本で唯一、老犬神社だけらしい。
犬好きの自分はそんな話をどこからか聞き、いつか訪れたいと思っていた。今回、たまたま予約した犬連れ可の宿が老犬神社の近くだったので、念願かなって我が家の犬と一緒にお参りができた。
立派な忠犬にはならなくていいから、うちのバカ犬には長生きして欲しい。
本当は少しバカを直してもらって、もうちょっと落ち着いてもらいたいけど、それを望むのはやめよう。長生きしてくれればいい。
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