ピューラックスでステンレスタンクを除菌清掃したよ(最後まで読んでね)
早いものでもう5月、待ちに待った大型連休に突入です。
我が家はキャンピングカーでしまなみ海道へ出かける予定なので、先の土日にデイブレイク号の出発準備を行いました。
ひととおり清掃作業をこなし準備完了。後は荷物を積み込むだけですが、キャンピングカーの出動が久しぶりなこともあり、普段は手をつけない厄介なアレもキレイにすることしました。
清掃困難な清水タンク
厄介なアレというのは清水タンク。
生活用水を運び使用頻度も高い重要装備でありながら、構造的に洗浄するのが非常に困難なのが清水タンクです。
一応、デイブレイク号にはステンレス製のタンクにメンテナンス用の蓋がボルト止めされていますが、実際にこれを開けて作業する気には全くなりません。
タンク水の我が家の用途
多くの方がそうだとは思いますが、飲料水は別途ミネラルウォーターを使用し、清水タンクの水は飲用していません。
タンク貯留水の利用用途は、手洗いや洗顔、食器の洗浄といったところ。歯磨きの際にうがいする(最後はミネラルウォーターですすぐ)ことはありますが、基本、飲むことはありません。
このため、タンクの洗浄作業もいい加減で、気の向いたときに適当なやり方で実施しています。
最もお手軽で確実なのが次亜塩素酸ナトリウムによる除菌・洗浄
で、ここからやっと本論。
我が家の清水タンクの清浄方法は以下のとおりです。
- 水を入れたタンクに次亜塩素酸ナトリウムを突っ込む
- シャッフル・シャッフル
- 排水
以上です。
次亜塩素酸ナトリウムとは?
次亜塩素酸ナトリウムというのは、プールや漂白剤の独特のニオイでお馴染みの、よく塩素・カルキといわれる物質です。
ガッツリ洗えなくて気分の悪い清水タンクも、漂白や殺菌に使われる次亜塩素酸ナトリウムを使えばすっきり。少なくとも殺菌消毒はできますから、安心です。
ちなみに、次亜塩素酸ナトリウムは、野菜などの食品の消毒にも使われているぐらいで、用法用量を守れば経口しても害はありません。
さらに、放っておけば自然分解して完全に無毒化(微量の食塩水に変化)します。いわゆる金魚の水替えの際に一晩外気にさらしてカルキを抜くのと一緒ですね。
このため、洗剤のように後から真水ですすぐ必要がないのが非常に助かります。
オススメ商品はピューラックス
次亜塩素酸ナトリウムが主成分の商品は、実はたくさんあります。
具体的な商品名をあげると、哺乳瓶等の消毒に使われる「ミルトン」や「ミルクトン」、漂白やキッチン周りで使われる「ハイター」「ブリーチ」、総合消毒剤として医薬品コーナーで売られている「ピューラックス」などなど。
何を選べばよいか迷いますが、私は迷うことなくピューラックスの一択。その心は、ズバリ濃くて安いから。
どこかで、タンク洗浄にはミルトンやミルクトンがオススメという記事を読んだ気がしますが、ミルトンは1リットルでおよそ千円。一方のピューラックスは、600mlがだいたい600円ぐらいで売られています。
なんだたいして違わないとお思いかもしれませんが、ミルトンは次亜塩素酸ナトリウム1%溶液なのに対し、ピューラックスは6%溶液。濃さが違う。なんと6倍です。
是非、次亜塩素酸ナトリウム製品を買うときは、医薬品売り場でオキシドールやワセリンなどと一緒に地味に並んでいるピューラックスを買ってください。
ハイターはやめといたほうがいいかも
なお、清水タンクの洗浄が目的の場合は、ハイターやブリーチを使うのは止めましょう。
これら台所用漂白剤には次亜塩素酸ナトリウムの外に台所洗剤と同じ界面活性剤が加えられています。もしハイターをタンクに投入したら、界面活性剤を落とすためのすすぎ洗いを入念に行う必要が生じますので注意してください。
洗浄除菌液の作り方(適正濃度)
タンク洗浄に当たっては、ピューラックスを適切な濃度に希釈する必要があります。
次亜塩素酸を使って除菌する際の一般的な濃度は次のとおりです。
- 飲料水の除菌 → 0.8ppm(0.00008%)
- 食器類の除菌 → 100ppm(0.01%)
- 浴槽・便器の除菌 → 200ppm(0.02%)
- 便・嘔吐物が付着したものの除菌 → 1000ppm(0.1%)
6%水溶液のピューラックスを使い200ppmの除菌液を作るには、300倍すればいいので、10リットルの水に34ccのピューラックスを投入することになります。
後はこの除菌液をタンクに入れて、適当に15分ほど走行してシャッフル。タンク内で充分撹拌したら排水して作業終了です。
混ぜるな危険!だけじゃない。本当は怖い次亜塩素酸ナトリウム
さて、ここまで「ピューラックスで簡単清水タンク掃除、ミルクトンよりピューの方がお得だよ」みたいな話を書いてきましたが、次亜塩素酸ナトリウムを使う場合には大きな注意点があります。
それは、
- 酸性のものを加えると猛毒の塩素ガスが発生するので絶対に混ぜない
- 刺激性が強いので直接、皮膚に触れないようにする
いや、そんなことは皆さん御存じのはず。
それ以上に重要なのは、
「ステンレスは次亜塩素酸ナトリウムに弱い」
ということ。
ステンレスは絶対錆びないわけではない
腐食に強いのが自慢のステンレスですが、実は塩化物に弱く、特に塩素系にさらされると腐食します。
自分でやっておいてなんですが、これ本当。嘘だと思ったらググってください。
ステンレスは、空気に触れ自ら酸化被膜をつくることで錆を発生させないようにしているのですが、塩素はその被膜を破壊してしまうようです。
もし、ピューやミルトンでステンレスタンクを洗浄する場合は、
- なるべく薄めの溶液にし浸す時間も短時間とする
- 真水ですすぎ塩化物を落とす
- 排水後、空気に触れさせて酸化被膜を再生させる
といった配慮が必要かと。
ちなみに、私は面倒なので排水して終わり…。
ちょっとぐらい大丈夫だと思うけど…自己責任で
数年前、ピューによるステンレスタンク洗浄を行った後、この衝撃的な事実を知って愕然としたのですが、個人的な経験から多少は大丈夫だと高をくくってまたしてもピュー洗浄を行ってしまいました。
良い子の皆さんは、私のようなバカチンの真似はしないように。
ちなみに、ピューラックスを製造しているオーヤラックスのホームページには注意事項として「鉄、ブリキ、銅などの大部分の金属類はサビますので使用を避けてください。」と書いてあります。
これだけ読むと、ステンレスだったら大丈夫だと思ってしまいますよね。
しかし、ちゃんと調べてみると、ステンレスも「大部分の金属」でした。残念…
キャンピングカーの清水タンクの清掃で検索するとミルトンやミルクトンが引っかかりますが、こういった事実もありますので、実行する際には配慮してください。要注意です。
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