キャンピングカーを選ぶうえで知りたい性能(キャブコンの弱点)

1708101426E-M1_006-1 キャンピングカー
リスボンで見かけたキャンピングカー

大昔に「キャンピングカーのススメ」なる独断に満ちた記事を書いた中でキャブコンの悪いところを書き連ねたことがありました。今回はその続き。「経験者しか知らないキャブコンの弱点はまだまだあるぞ」と書き出したもののずっと放置していた記事を今更ながら仕上げました。キャンピングカーを運転したことのない人の参考になれば幸いです。

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キャンピングカーの弱点は風。弱点を見える化できればいいのに

自動車の能力・性能を測る指標・データはたくさんあります。馬力、パワーウエイトレシオ、最高速度、0-400加速など、すぐにいくつも思いつきますし、最近では衝突安全性能なんていうのも非常に重視されていますね。

キャンピングカー、特にキャブコンの性能評価に当たっては、そうしたメジャー指標のほかに私がぜひ知りたいと思うデータがあります。

それは空力性能、もっと具体的に言うと横風安定性です。

強風は恐怖。キャブコンは横風に弱い

我が家のキャラバンは長距離移動が多く高速道路をよく使います。そして、高速道路を走っていて一番怖いのが横風なんです。

キャブコンは背が高くて側面の面積が大きい上に、その投影面積のほとんどが垂直な「壁」となって構成されています。いわばクルマ全体がヨットの「帆」みたいな状態。風の影響をもろに受けます。

強い横風の中を運転したことがある人は経験していると思いますが、突然ハンドルをとられて隣の車線にクルマを持って行かれます。なんとかはみ出さないように強くハンドルを握っていると、今度は急に逆サイドに振られたりしてホントに怖い。駄洒落みたいですけど「恐怖の強風」です。

特に危ないのは橋・トンネル

風の強い場所はある程度決まっていますので、そういった場所を通過するときは常に気を付けて走るようにしています。代表的な危険ポイントは、アクアラインや名港トリトンのような海に面した長い橋、また谷間にあり風の通り道になっているトンネル出口などなど。

風が強い日は、ハンドルを取られることを予測してトンネル出口などでは十分に減速するようにしています。

トンネル出口や橋だけ注意するだけならまだ良いのですが、走行中ずっと強風が吹いているような場合は、車体がブレないよう極度に緊張した運転を強いられますので精神・体力ともに激しく消耗します。

対応策はスピードダウン、足回りの強化では解決できない

キャンピングカーの足回りを強化すれば、横風耐性がいくぶん向上するかもしれません。でも、ありきたりの改造では抜本的な解決なならないと思っています。

私はナロートレッドにランチョ9000を入れていた前車クレソンから、エアサスや強化トーションバーを入れたワイドトレッドの現車デイブレイクに乗り換えました。

確かに、現車デイブレイクは足回りの強化により高速道路で大型トラックに抜かれた際の挙動が格段に安定しました。しかし、強風のなかでの運転の怖さはあまり変わりません。

個人的な経験に基づく独断ですが、カムロードベースのキャブコンが風に弱いのは持って生まれたさだめ。金をかけたところで解決しないというのが私の持論です。

結局、横風に対しては、運転手が気を付けるしかありません。でも運転手ができることは限られていて、せいぜいスピードを落とすことと油断しないでハンドルを握ることぐらいです。

強風の時は運転しないのが一番

キャンピングカーと風は、いわばナメクジと塩みたいな関係です。刃向っても絶対にかないません。私がおすすめする対処方法はズバリ、「風が吹いたら遅刻して」の南の島のハメハメハ大王方式です。風が強いときはスピードを出さない。危険なときは走らない。これが原則。

我が家の自主規制

私は横風風速18m/sのアクアラインを走行したことがあります。全身緊張して超ビビりながら、スピードは50km/hが限界。2度と経験したくない恐怖体験でした。

ちなみに、アクアラインは風速15m/sで最高速規制、20m/s以上で条件により通行止め、25m/s以上だとほぼ間違いなく通行止めになるようです。

こうしたたことを踏まえ、我が家の私的ルールとして、

横風15m/sの予報が出ていれば高速道路の利用を再検討する。20m/s以上であれば極力運転しない。」こととしています。

ビューフォート風力階級表 出典:tenki.jp

キャンピングカーにおいて空力性能はとっても大事

ここで最初に戻ります。

これまで書いてきたとおり、キャブコンの最大の弱点は横風。少なくとも私の実体験上では、一番の難敵に間違いありません。

一方で、これからキャンピングカーを購入しようとしている人はこのことを知らないはず。乗り心地を気にする人は多くても、横風にあおられる恐怖が分かるはずありません。

私はその恐怖を知っていたので、キャンピングカーを買い替える際にはなるべく横風に対する空力性能が高いモデルを選びたいと思いました。しかし、残念なことに、そんなデータは一切ありませんでした。

無理だとは思うけど空力性能も考えてほしい

ビルダーが法律上必要のない風洞実験を行うのはコスト的に無理。そういったデータを求めること自体ナンセンスかもしれません。

でも、「横風に(少しは)強い」というのは、そのキャンピングカーの大きな強みになるでしょう。空力性能が良いということは「低燃費」の証明にもなります。一定の指標、データがあればキャンピングカーを選ぶ際にすごく参考になるはず。

「うちのキャンピングカーはシェル形状を工夫して横風に強いです」なんてアピールがあってもいいと思うのですがいかがでしょうか。

まとまらない話ですみません。繰り返しになりますが、キャンピングカー(キャブコン)は風に弱いです。無理がきかないクルマだということを十分理解したうえでご購入くださいませ。

コメント

  1. Alcedo より:

    こんにちは
    横風怖いですねぇ。強風の時は私もPAやSAで収まるまで待つようにしてます。
    シェルの形状ですが、前に乗っていたZIL480と比べ、今のZIL NOBLEの方が横風に弱いと想像していましたが、実際に運転してみると大差ないです。
    よほど思い切ったデザインにしないと、横風対策にはならないのかも知れません。

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      Alcedo 様
      無理だとは思いつつ、偉そうなことを書きましたが、やっぱりキャブコンは少しデザインを変えるぐらいでは良くならないですかね。
      個人的にはコーナーにアールがついていないモデルは横風に弱いと思い候補から外しましたが、実際には大差ないのですね。
      風に弱いのはあきらめて、慎重に運転するしかありませんね。

  2. はとポッポ より:

    はじめまして!
    突然のコメントで失礼します。
    猫2匹(シンガプーラとロシアンブルー)でキャンピングカーでお出かけしています。数年前に、旦那がこちらのページを見てキャンピングカーの購入を決めました。
    横風、本当に怖いです。足回りを強化しましたが、強風時は怖くて怖くて・・・。
    大型車で、一杯に荷物を積んでいると強風でもあまり怖くないと聞いたことがあります。2tベースのキャブコンならまだマシなのでしょうかね?
    数々の貴重な情報発信、参考にさせて頂いています。
    これからも、ちょくちょく訪問させて頂きますのでよろしくお願いします。

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      はとポッポ 様
      はじめまして
      コメントありがとうございます。
      当方のサイトがキャンピングカーご購入のお役にたてたとしたら非常に光栄です。ブログを書いた甲斐がありました。
      また、我が家と同じシンガプーラと暮らされているとのこと。とても親近感がわきます。
      うちのシンガプーラは、シートに爪を立てるのが好きで、シートを穴だらけにしてしまいましたが、ネコとのキャラバンはそれはそれで楽しいですね。
      引き続きどうぞよろしくお願いします。

  3. ニッシー より:

    こんにちは
    まだまだキャンピングカー初心者です。おそらく同い年です。
    横風は深く考えてませんでした。早めに知れて良かったです。ありがとうございます。
    購入を前提にアミティーの2018年モデルをレンタル契約していたのですが、先に借りた人が事故を起こしてしまったらしく、キャンセルとなってしまいました。
    もし購入したら、ネコと出かけます!
    またお邪魔します(^^)

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      ニッシー 様
      ご訪問ありがとうございます
      キャンピングカーの購入を検討されているとのこと。早く決まるといいですね。
      キャブコンにも弱点はあります。でも弱点を踏まえたうえで活用すれば、キャンピングカーはデメリットを大きく超える楽しみや利便性を与えてくれる最高のおもちゃだと思います。
      ネコとのキャンピングカーライフを楽しんでください。