アイコムAH-4で自宅用ロングワイヤーアンテナ設置

アンテナエレメントの先端部分。アルミ棒にトンボが…

移動運用がままならないので固定アンテナが欲しくなる

もっぱら移動運用でアマチュア無線を楽しもうと思っていましたが、いざ遊びに行くとなかなか無線の時間を確保するのは困難だったりします。

このままでは、せっかく買った無線機が宝の持ち腐れ。いつまでたってもアマチュア無線のスキルは向上しません。

というわけで、ちょっと方針を変更。自宅から電波を出せる環境を整えることとし、アイコムのアンテナチューナーAH-4を使ったロングワイヤーアンテナに挑戦することにしました。

我が家の環境

当方の環境は、狭い戸建て住宅で家の東側100mには新幹線の高架、西側300mには10階建て以上のマンションが3棟建っているなど無線にはあまり良い環境ではなさそうです。

自宅敷地も狭く、両脇には隣家の家屋が建っていますので、タワーはおろか万が一倒れたときに隣家に迷惑を及ぼすような背の高い構造物は造りたくありません。

こんな状況ですので、魔法の箱AH-4の力を借りて我が家でできる範囲でワイヤーを張ってみた次第。電波が飛ぶか飛ばないかは天まかせです。

アルミワイヤーをらせん状に横に這わせています

条件・コンセプト

アンテナを設置するうえでの制約条件や、少しでも効率を上げるため注意した点は以下の6つ。

  1. 目立たない。なるべく地味にする
  2. 倒れたとしても隣地へ影響が出ない高さ、構造にする
  3. 確実にマルチバンド化できるようワイヤーエレメントの長さは12m以上とする
  4. ワイヤーエレメントはなるべく障害物(建物)から離す
  5. 高さは追及しないが、先端部分は家の軒よりも高い位置に伸ばす
  6. AH-4についても、可能な範囲で建物から離れた高い場所に設置する

バルコニーから張り出したタテヨコ混合ワイヤーアンテナ

出来上がったものを簡単に説明します。

アンテナトップ・垂直部分

アンテナの先端はアルミ棒で、2段目はサイズの合うアルミパイプを継いでかしめています。これを配管用塩ビパイプに結束バンドで縛りつけ、バルコニーの屋根の支柱を使って、およそ60°の角度で立てています。

中継地点。塩ビパイプをベランダから水平に伸ばしています

水平部分

2段目のアルミパイプにはアルミ針金を接続。塩ビのパイプに何度か巻きつけた後、水平方向に伸ばします。

水平部分の空中線も少しでも長さを稼ぐため、アルミ線に螺旋状のクセをつけています。クセづけはプロテインの入っていた空き缶を使いました。

途中、中継ポイントとして、バルコニーから水平に塩ビパイプに取り付け、アルミ線を巻きつけています。

AH-4

バルコニーの端にイレクターパイプを水平に設置し、バルコニーから50cmほど離れた位置にAH-4を取り付けました。

イレクターパイプの先には、塩ビパイプをさらに1mほど継ぎ足しており、アンテナエレメントはその先端を経由してAH-4に接続されます。

アイコムAH-4の取り付け状態。イレクターパイプに取り付け

エレメント長

エレメントの長さについては、正確なところは分かりませんが、アルミ棒の先端からアンテナチューナーまでおよそ12.5~12.8mになっているはずです。

ウェブで情報収集したところ、3.5MHzから50MHzまで同調するいい塩梅の長さが12mのようですので、この長さを狙ってエレメントを巻いたり伸ばしたりしました。

垂直水平が入り混じり形も歪な素人工作ですが、我が家の二部屋分のバルコニーを端から端まで最大限活用した、我が家の環境の中ではベターなものだと思っています。一応、上記「条件・コンセプト」に掲げた3・4・5・6は達成できました。

実際の使用感

お蔭さまで、3.5MHz~50MHzまでSWR値は1.5以下に抑えられています。3.5MHzは良くて1.25ぐらいですが、7MHzは広い範囲でSWR1になっています。

休日にちょっと更新してみたところ、7MHzで秋田県、兵庫県など、50MHzで埼玉県飯能市と交信することができました。

このオンボロアンテナの性能がいいのか悪いのか私には分かりませんが、交信できましたのでとりあえずは良しとします。

アースなど細かい話は今後また書いていきます。