サントリー白州蒸留所工場見学 その1

1101115812XQ1-1 旅の記憶

白州 サントリー

白州蒸留所


11月1日~3日の連休はキャンピングカーで山梨県に行ってきました。
お目当てはは北杜市にあるサントリー白州蒸留所の工場見学。
いわずもがなですが、白州蒸留所はサントリーのシングルモルトウイスキー「白州」を造っている蒸留所。そのほかにも「白州」のマザーウォーター(仕込み水)でもある「南アルプスの天然水」の製造も行っています。
無料の工場見学ツアーもあるのですが、今回は「ウイスキー匠の技講座」という有料のコースに参加しました。
このコースは、工場見学に加えてニューポット(蒸留したての無色透明の酒)や「白州」の元となっている4つの原酒を試飲し、テイスティングの方法も学べるというもの。非売品の原酒が味わえるなんて工場見学ならでは。ウイスキー好きには堪りません。
白州 紅葉

白州蒸留所内の小径はもう秋色


当日は生憎の雨模様で肌寒い1日でしたが、蒸留所は連休ということもあり大盛況。ガイドツアーの出発場所はウイスキー博物館になっておりとても賑わっていました。
小ぶりな博物館ですが、サントリーの歴史や創業者”鳥井信治郎”の紹介、開高健・山口瞳の歴史に残るコピーや柳原良平のアンクルトリスなどなど見どころ豊富。
NHKの朝ドラ「マッサン」の影響でしょうか、家族連れや女性が意外と多かったです。
ちょっと面白かったのが、竹鶴政孝(ニッカ創業者、マッサンのモデル)の紹介がなかったこと。
サントリーから見れば当たり前の話ですが、鳥井信治郎こそが日本のウイスキーの父。山崎で初の国産ウイスキーを造ったのもサントリーの偉大なマスターブレンダーである鳥井信治郎であるとこの博物館では展示されていました。
サントリー白州蒸留所のポットスティル

白州蒸留所の古いポットスチル

工場見学

時間になり、ガイド役のお姉さんの案内でツアー開始。
今は使われていない古いポットスチル(蒸留装置)が居並ぶ部屋を見学した後、実際にウイスキーを製造している工程をガイドのお姉さんの説明を聞きながら見て回ります。

サントリー白州蒸留所ガイド

ピート(泥炭)の説明をしてくれるガイドさん
これで麦芽を燻すことでウイスキー独特の香りが生まれます


サントリー白州工場のマッシュタン(仕込槽)

仕込槽(マッシュタン)で麦芽が糖化され麦汁へ


まずは糖化の工程、原料の麦芽を粉砕しそこにお湯を加えて仕込槽へ。ここで麦芽のデンプンが糖質に変化し麦汁となります。大きなタンクの周囲は麦汁の甘い香りが漂います。
麦汁に酵母を加え発酵槽で醸造。白州ではこだわりの木桶を使用していて中を覗くと白濁した麦汁からブツブツと炭酸ガスが発生し発酵が進んでいるのがわかります。
この当たりまでの原理は日本酒と一緒ですね。発酵槽の周りは醸造独特の香りが酒蔵にいることを実感できます。
サントリー白州蒸留所醸造槽

木製の醸造槽 中を覗けます。酒好きには堪らない匂い


次は、出来た醪(もろみ)をポットスティルで蒸留。ガラス越しですが、ポットスティルの中で醪が煮立つ様子が見学できます。
良質なウイスキーをつくるには、いくつもの原酒をバッティング(ブレンド)して深みのある味わいにしていく必要があります。このため、本場スコットランドのように蒸留所が多くない日本では、ウイスキーメーカー1社で様々な原酒を用意しなくてはなりません。
白州の蒸留所でも、多様な原酒をつくるため形も大きさもそれぞれ異なるポットスティルで蒸留さてていました。
サントリー白州蒸留所のポットスチル

白州蒸留所の現役ポットスチル ストレートやランタン型など大きさも形も様々


そして最後は熟成です。実際に貯蔵庫を見せてもらいましたが、蒸留年が書かれた樽が整然と並ぶ様は感動的でした。
ここでも個性豊かな原酒をつくるため、いろんな種類の樽が使われています。オーク材や日本が誇る北海道産ミズナラ材、ウイスキー好きなら聞いたことがあるであろうシェリー樽などなど。材料だけでなく樽の大きさもいくつか使い分けて多彩な原酒を造るとのこと。
サントリー白州工場ウイスキー貯蔵庫

ウイスキーの熟成が進む貯蔵庫 大きすぎて全体を上手く写せません
こうした貯蔵庫が白州の広大な敷地に点在しています


ちなみに、シェリー樽とはシェリー酒の熟成に使った樽のことですが、一度バラして輸入したものをサントリーの樽職人が再度、素材を選びながら組み直すみたいです。
ウイスキーづくりは非常に手間と時間がかかりますね。値段が高いのも少し納得です。
次はいよいよ試飲? テイスティング体験に続きます。

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