キャンピングカーで死亡事故 バーストを起こさないために

200709-070-1 キャンピングカー
キャンピングカークレソン バースト タイヤ

クレソンの純正タイヤでトレッドはがれ

右後輪破裂、横転による児童の死亡

既に報道されてますが、磐越道でカムロードベースのキャブコン・キャンピングカーが横転し、同乗していた5歳の児童がお亡くなりになられました。ご冥福をお祈り申し上げます。

報道によると、磐越道上り線の新津西スマートICに近い片側1車線道で事故は発生。キャンピングカーが横転し対向のワゴン車と衝突した模様です。

この事故により、車外に放り出された5歳男児が頚椎損傷で死亡。運転手の男性は胸の骨を折る重傷、その他同乗者4人が軽傷を負われました。

キャンピングカーが横転した原因は右リアタイヤのバースト。報道では破裂と書いてあります。

普通乗用車ではまずありえない、キャブコンキャンパー特有の不幸な事故がまた発生してしまいました。

事故現場の道路は何度か走ったことがありますが、たまに短い追い越し車線がある外は満足な分離帯もない70km規制の対向車線が延々と続くところ。そんなにスピードを出していたとは思えませんが、バーストは速度に関係なく起こるときには起きてしまいます。もしかしたら気づくような前兆もなかったのでしょう。

乗用車しか知らない人に言わせると、普通ならパンクする前に予兆に気づくハズだなんていう人もいます。しかし、それはほぼ無理。

異常が生じたらあっという間にバーストしてしまうのがキャンピングカーではないでしょうか。私自身、高速道路でバースト(トレッド剥がれ)を一度経験していますが、この時もごく直前まで異常に気づきませんでした。

バースト事故を未然に防ぐ

重要なのは、バーストに至る前にリスクを回避する予防措置です。

キャンピングカー、特にカムロードのようなシングルタイヤのキャブコンは、タイヤバーストのリスクが非常に高い。そして一度バーストすれば、運転技術に関係なく簡単に横転してしまい重大事故に発展する危険がある。この2点を十分認識し、事前の対策をとっていく必要があります。

以下、タイヤのバースト等を避けるため私が行っていることを記します。素人判断ですので完ぺきではありませんが、トレッド剥がれを一度、ハブボルト折れを2度経験したうえでの個人的な決めごとですのでご参考までに。

キャンピングカークレソンアルミホイールハブボルト欠損

ハブボルトが全部折れてアルミホイルがガタガタ

ノーマルタイヤは使わない

我がデイブレイク号は、納車早々タイヤを215/65R15 110/108に換装しました。

なぜなら、カムロードの純正タイヤ195/70R15は最大負荷能力が十分でなく、ある程度の装備を積み込んだキャブコンにはリスクが高いと考えるから。

純正タイヤでも最大負荷能力は950kg(600kPa)あります。したがって、理論上は空気圧を適正に管理すれば、車重3トンに人や積載物が加わったとしても十分耐えられるはず。

しかし、実際には、純正タイヤのバースト情報がウェブ上にたくさんあるのはご存知のとおりです。

1本のタイヤにかかる負荷は、けっして車検証上の車重を4で割ったものではないでしょう。水などの荷物の搭載状況により、前軸・後軸、左右のバランスは大きく変わるものと思われます。

多くのバースト事例がリアタイヤであることをみれば分かるとおり、一部のタイヤに最大負荷に近い荷重がかかってしまい、経年劣化や空気圧不足など何かの拍子でで突然バーストしてしまうことが多いのではないでしょうか。

ちなみに単なる偶然かもしれませんが、前車クレソンで遭遇したタイヤ・ホイルトラブルは両方とも右後輪でした。

純正タイヤが危険と断言できるものではありませんが、個人的には安全マージンが充分とは思えないのでなるべく早めの交換をおすすめします。

タイヤは原則3年、長くても4年で交換

ノーマルタイヤをより丈夫なものに交換したとしても油断は禁物。私は3年、長くて4年でタイヤ交換すべきと考えています。

それほど距離は乗っていなく、非常にもったいなく感じるのも事実です。しかし安全には代えられません。

むしろ、あまり使わず停車しっぱなしになることが多いキャンピングカーだからこそ、定期的に交換することが重要だと考えています。

なお、3年~4年とする合理的根拠は一切ありません。これまでの経験やウェブ上の情報による個人的な判断です。万が一を回避するための必要コストと割り切っています。

一年に一度はプロの目でチェック

我が家の場合、車検と12ヶ月点検は、ダイナ・トヨエースを取り扱うディーラーに依頼。最低、年に1度はプロの目で足回りを見てもらうことにしています。

その際には、忘れずに空気圧の調整、タイヤのローテーション、ハブボルトやホイルのガタツキ等のチェックを指示します。

日常点検の励行

これはいうまでもありませんね。出かける前には空気圧が下がってないか、サイドウォール等に傷や変形はないか最低限のチェックをしましょう。

また、普段あまり使ってないキャンピングカーの場合は、ある程度高速走行をした後、改めて変形等がないかチェックした方がいいと思います。

乗り心地よりも安全マージン

タイヤ空気圧は570kPaを下回らないように調整しています。高速道路を何日も走り続けるようなロングキャラバンでは、590kPa~600kPa入れています。ちなみに215/65R15に空気圧600kPaで最大負荷能力は1060kgに向上します。

タイヤ交換によりロードインデックスを向上させた場合には、500kPa以下でもノーマルタイヤに相当する耐荷重を得られるため、空気圧を下げて乗り心地を良くするという考えもあるようです。しかし、私は乗り心地よりもバーストを避けるための安全マージンの確保を何より優先します。

運転中も最悪の事態を想定する

シートベルトの着用

今回の事故が報道のとおりであるなら、死亡事故に至った要因はバーストに加え、セカンドシート同乗者のシートベルト着用の有無が大きいと思われます。

我が家の場合、走行中ダイネットに人が居ることはありませんので、犬、猫の固定に気をつければよい話ですが、同乗者がいる場合は運転手がしっかりと注意する必要があります。

バーストに至らずとも、高速走行中やむを得ず急制動を要する場面に出くわさないとも限りません。キャブコンは一線を超えたら簡単にひっくり返りますので、全員が常時シートベルトを着用しなくてはいけませんね。

スピードは控えめに

極端なスピードの出し過ぎはタイヤへの負荷を強めバーストの要因になるでしょう。しかし、だからといって制限速度を遵守すればバーストを防げるわけではありません。

スピード超過で問題になるのは、運悪くバーストしてしまった時。バーストによる影響を最低限にとどめ安全に対処できるかどうかです。

当然、スピードを出しすぎていれば突然のバーストで車両がコントロールできなくなり横転、重大事故へと発展する可能性が高くなります。

これもシートベルトと一緒。万が一、最悪の事態を想定して安全運転に努めることが求められます。

コメント

  1. レオじじい より:

    本当に痛ましい事故ですね。
    我が家も孫を後席に乗せて出かける事があり、特に夜間走行では寝ている事があり、反省するばかりですが、バーストには最新の注意を払っています。
    先ず、タイヤサイズを貴殿同様にし、3年で交換、これは中古車購入時にこのサイズが既に選ばれていた。
    クルマの車重を測って後輪の軸重を知る。
    タイヤの空気圧と温度を知る為に、エアモニの装着。
    休憩で停車した時にタイヤに触って確認。
    これらを実施しスピードを出しすぎない。
    を実行していますが、高速道路では抜いて行かれるばかりで、細いタイヤのキャブコンが勢いよく抜いて行くのをみると、何時も大丈夫かなと思っています。
    過去にブログ記事で、バースト経験者のデータ収集を試みましたが、集まりませんでした。
    出来れば、ビルダーなど団体がデータを集めて公開するなど、もっと注意喚起をする事が重要でしょうね。

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      レオじじい様
      キャブコン乗りとして本当に悲しい事故ですね。
      自動車という高度な工業製品でありながら、標準装備では安心できないというのは今どきの日本では信じられない話です。
      死亡事故が発生していることを考えると何か対策が必要なのかもしれません。
      そうは言っても、結局は自分で気をつけるしかありませんので、記事に書いたようなことを心がけています。
      記事ではタイヤ交換は原則3年、長くて4年と書きましたが、出かける機会が少なく、次の長距離キャラバン直前まで3年半使ったことがあったものの、我が家も3年で交換することにしています。
      エアモニは前から興味があるのですが、イマイチ信頼性が疑問でつけてませんでした。製品も進化しているようなので取付を検討します。

  2. けんけん より:

    御悔やみ申し上げます。
    バーストによる横転等の事故を見聞きするたびに思いますが、バーストすると必ず横転する意味合いの書き込みがありますが、その様な自動車が走っている事に疑問を持ちます。神経質な空気圧の点検、ノーマルタイヤ不可、その様な対応を行わないと、安全が担保出来ないことが問題なのではないでしょうか?
    国産ビルダーの製品に対する安全率の考え方に疑問を持っています。ニュースによく出る横転など、製品に関すると思われる事故は、国内のビルダーが多いように思われます。特に購入後足回りを強化したら安心した等の不思議なコメントが多いですね。

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      けんけん様
      コメントありがとうございます
      残念な現実ですが、バーストで話題になるのは国産キャブコン、それもカムロードベースが圧倒的です。
      架装するのはビルダーでありメーカー側ではどうしようもないのでしょうが、実際にこれだけバーストが話題になっているのですから、キャンピングカー専用シャーシを謳う以上メーカー・ビルダー連携して根本的な対策をとるべきでしょうね。