キャンピングカーが欲しい 2003.Summer
私の通信簿にはよく、落ち着きがない、集中力がないと書いてありました。通信簿がもらえなくなって久しいですが、さても変わらず「思いたったが吉日」の直情型。今となってはよく思い出せませんが、平成15年の夏頃、突然にキャンピングカー欲しい病に罹患、すったもんだのあげく遂に購入してしまいました。
何の参考にもならないかもしれませんが、以下、初代キャンピングカー、ナッツRV社製クレソンの購入経緯をつらつら思い返してみます。
なぜ? キャンピングカー
キャンピングカーなぞ全く興味はありませんでした。アウトドアは元々嫌いではありませんでしたが、キャンピングカーなんてアウトドアとは全く別物。金の使い途に困った成り金オヤヂがキャバ嬢に自慢するために買うようなモノ。「キャンピングカー買っちゃたけど見に来なぃ~?後ろにはダブルベッドもあるんだょ~ぐふぇっふぇっふぇ」そんな認識(貧乏人の妄想)しかありませんでした。
そんな私がキャンピングカーに関心を持ったのは、ジンジャーとペッパー。我が家の犬コロ2頭のせい。
もともと別荘が欲しくて買えもしないのに田舎物件情報を眺めていたちょっとネジが足らない貧乏人の脳内である日、何かと何かが結びついたのです。
「キャンピングカーがあればいつでも犬と一緒に遊びに行ける。我が家にぴったりの移動式別荘じゃないか。」ナイスアイデア!、お犬様からの啓示だ!
乗用車の限界
当時は、犬を連れての旅行をある程度想定して、モビリオ・スパイクというコンパクトだけど荷物がたくさん積める車に乗っていました(たしかメーカーもアウトドアでの利便性をウリにしていたと思います)。実際に犬を連れて、スキーに行ったりしましたが、人間だけの「くるま旅」と違って、犬連れくるま旅には様々な制約がありました。
まず、犬が泊まれる宿の確保がたいへん。今では選べるくらい犬宿は増えているようですが、犬2頭、しかも1頭は中型犬、無意味に体高があるウィペットとあっては宿を見つけるのは結構手間です。「うちのウィペットはおりたたみ式で、家具と家具のすき間に収納可能です。」と説明するのですが、通常は理解されず機械的に中型犬は駄目という宿も多いです。
当然ですが、我が家の暴君、ウザイ氏・クサイ氏と狭い車内で一晩過ごすのは不可能。彼らにとっては楽しいかもしれませんが、飛び跳ねる、舐め回す、阿鼻叫喚のナイトメア。新たな拷問としてグァンタナモで採用されるかもしれません。
次に、暑さ、寒さ対策。たとえ短い時間でも車に犬を留守番させるのは気を遣います。スキーに行った際には、ケージに使い捨てカイロを厳重に梱包したものを入れてしのぎましたが、夏の暑さ対策はアイドリングでエアコンかけっ放し以外に手はないでしょう。心配で車を離れられず、食事もままなりません。夏と言わずGWでも油断すると車内はとんでもない温度になっていたりしますので乗用車での犬連れ旅は常に注意が必要です。
キャンピングカーを買えば、こうした問題は全て解決(のはず)。いつでも好きな時に犬を連れて旅に出られます。そのほかにもキャンピングカーにはメリットいっぱい夢いっぱい!?
愛しのキャンピングカーどこに?
市場調査
クマムシのように素直で直情型の私は、こうしてキャンピングカー欲しい病にとりつかれました。AutoCamper誌を購入しキャンピングカー関係のウェブ情報を読み漁る日々。全身のミトコンドリアがキャンピングカーを欲しているかのように衝動は激しさを増すばかり。ついに購入のあてもないのにビルダーに見積もりをもらったり、実車を見に行ったりするようになりました。
当時、気になったモデルは、リー社のアウトドアジュニア、マックレー社デイブレイクの2車種。お犬様の安全な留守番がわが家のテーマでしたので、自ずとエアコン搭載(発電機搭載)モデルに目がいきます。
アウトドア・ジュニア
リー社は我が家からそんなに離れていませんので、妻をだまして訪問。すでに夕方でしたが、社長さんが丁寧に説明してくれ製作中の車内も見せていただきました。
ウェブでの評判が高いだけあって、よく研究されたいい車というのが第一印象。顧客の要求にも柔軟に対応してくれそうな高いフレキシビリティを感じました。
気になったのは、やはり全体的に狭いという点。バンクベッドに大人2人就寝は厳しそうです。ダイネットも大人2人が寛ぐと犬達の居場所がないかもというのが率直な感想。ベース車もちょっと古臭くて頼りない。
しかし、アウトドアジュニアは日本を代表するコンセプトカーであり、その設計思想にぴったりはまればこれ以上の車はない完成度の高い車であることは間違いありません。
デイブレイク
次はマックレーです。ソース自体が少ないですが、こちらもユーザーの評価がとても高いビルダー。発電機とエアコンを搭載した「完全自立型」が特徴でその道の草分け的存在です。京都の会社のため実車を見る機会には恵まれませんでしたが見積もりを依頼。ほんの少しですが電話で渡辺社長とお話ししました。
マックれーもリー社と同様、クルマづくりへの強いこだわりが感じられました。特に「同じ車はない」といわれるほど顧客重視の姿勢、ユーザビリティへの配慮は特筆もの。
マックレーで悩ましいのは、まずは納期。ほぼハンドメイドなのでしょうか。顧客にあったクルマづくりをする会社ですのでやむを得ないことかもしれません。しかし約半年待ちといわれると直情型クマムシの熱いマグマが萎えてきます。次は金額。発電機とエアコンを積んでいるので高くて当たり前なのですが、価格的にちょっと厳しいかなというのが正直なところでした。
やっぱり無理かな?
埼玉は国道16号沿線にビルダーやディーラーが多々ありますので2社以外にもいくつか見て回りました。しかし、これだ!というクルマになかなかめぐり会えません。
今思えば、当時はどんなキャンピングカーを買うかではなく、何が買えるのかだったような気がします。見積もりをもらっても、まず気になるのは総支払額。今更ながら我が家のような貧乏労働者家庭には無理かもと感じ始めました。
もちろん、手頃な価格のキャンピングカーもあるにはあります。でも、内装が如何にもという感じで貧相だったり、使い勝手が悪そうだったり。ピンとくるものがないのです。
間抜けな思い付きに浮かれ騒いだ熱月も現実という名の秋風の前に霞んでいきます。半ば諦めながら諦めきれずウェブとにらめっこ。そんな時、あるクルマと出会ってしまいました。
第2話へ続く
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