クレソン戦役勃発、そして大団円へ?
クレソン購入記第2話です。(第1話はこちら)
キャンピングカーを買うなんてやっぱり無理かな。あきらめようと思ったときにクレソンを知りました。
クレソンとの出会い
掘り出し物?
そんなとき、ウェブで見つけたのが、今はなき?キャンピングカービレッジ関東のクレソン新車(展示車)の情報。
定かではありませんが、リアが広めのキッチンになっているType Aとリア2段ベッド仕様のType W、全部で3台あったように記憶しています。価格もマックレーに比べると安い(装備内容が違うから当たり前)ですし、展示車処分ということで更なるディスカウントが期待できそうな雰囲気。またまた妻をだまして千葉のキャンピングカービレッジ関東まで出かけました。
クレソンの印象ですが、展示車とはいえれっきとした新車。外装も内装も仕上がり良く高級感があります。レイアウトもキャブコンとして標準的なもので使い勝手は良さそう。展示車なのでオプションに制限はありますが、FFヒーターや冷蔵庫、サイドオーニングなど一通りのものはついています。残念だったのは、133psの新型エンジンでなくナロートレッドだったことぐらい。
そんな欠点はさしおいて、この格安な新車に心惹かれました。何より即納という言葉は、常に脊髄反射で行動している私の脳に響きます。
この時点で私は、ドックフードを前に「マテ」をさせられているジンジャーのような状態に。しかし、露骨に欲しい素振りを見せれば隣りに座っているゲシュタポに銃殺されるのは自明。営業マンと当たり障りのない会話をしてその日は撤収しました。
これしかない?
千葉から帰ってからは、クレソンについてウェブで情報収集です。乗られている方の評価はいずれも高く、特に私も感じた、FRP一体成型で仕上がりの美しいボディ、オールタモ無垢材使用の内装の上質感を特徴にあげられているユーザーが多いようです。調べたうえでは特に欠点は見当たりません。室内の広さはカムロードベースですので問題なし。バンクベッドも大人2人で寝れそうです。
正直言ってキャンピングカーを使ったこともなく、これ以上の突っ込んだ評価はできません。
当初目論んでいた発電機搭載モデルとはちょっと方向がずれてしまいましたが、発電機やエアコンは後付けでもいいや。夏は高原にでも行けばいいやとあっさり妥協。
クレソンこそ我が家にピッタリのキャンピングカーに違いない。このチャンスを生かさねば我が国の明日はないと確信。心の中でZ旗がはためいたのです。
第1次クレソン戦役
直情型のクマムシは、いてもたってもいられず妻への交渉を開始。しかし、悪いことに当時は車を買い換えて1年もたっていない時でした。「何を言ってるんだ馬鹿、ボケ」「どこにそんな金があるんだ」「お前の脳味噌は糞尿犬以下か」などなど家中にガトリング砲が響き渡ります。犬どもはそそくさとケージに退避して出てきません。
こちらはキャンピングカーの素晴らしさを必死に訴えますが、とりつくしまもなく「無理、駄目」の繰り返し。悪いことに「あなたには計画性、先見性がない」という相手の攻撃に対して、思わず「そんな能力があったらあんたと結婚していない」としごく分かりやすい反論をしてしまい事態は一層の泥沼化。こちらは防戦一方に。ここに至りてついに転進を決意、サクラサクラ・・・。否、玉砕にあらず、捲土重来、 I shall return…?。
第一次クレソンの戦いは、かくのごとく完膚なきまでに叩きのめされて終了。先立つものもなくパートナーの了承も得られないのでは、今回はあきらめざるを得ないと自らを納得させました。まあ、冷静に考えれば初めから勝算のない戦いであったことは明らかで、クマムシ特有の「話せばわかる」的な思考停止が招いた無駄なトラブルでした。反省。
この戦いでひとつ学んだ教訓は、犬コロからは何の援護射撃も得られないこと(当たり前!)。「キャンピングカーに1票」とまではいってくれなくても、せめて、逆上する妻に「まぁまぁ、僕の肉球の匂いでも嗅いで落ち着いて」ぐらいの合いの手(足)を入れてくれてもいいのに(無理!)。
第2次クレソン戦役
そんな傷心の身に一本の電話が。キャンピングカービレッジ関東からでした。実は見積りの際に、×××万円まで安くならないの?と半ばふざけて値引きのお願いをしたのですが、その場で無理と言われていました。それが、「今月中に決めてくれればその額でお出しします」という連絡。展示車とはいえ新車でその価格は非常に魅力的。破格の条件に一度は封じ込めたマグマがグツグツと動きだします。「もう一度、説得するしかない!」
再度戦いを挑むに当たり立てた作戦は、「話せばわかる」「当たって砕けろ」。全くの反省なし。全くの進歩なし。ここに決死の菊一号作戦を発動!
「奥様、これはもうとーってもお買い得。見逃したら後悔間違いなし。買わなきゃ損です奥様!」とマルエツの牛肉全品4割引きセールの勢いで説得に当たります。が、「何度言ったら分かるんだこのチンカス野郎」と敵は早くも臨界、デスピサロ最終形態に突入。いてつくはどう、痛恨の一撃・・・。こちらの思いは全く通じません。
最早これまでか、薄れゆく意識の中でキャンピングカーが岸辺のアルバム(古)のように流されていきます。あぁ、自分のようなちっぽけなプロレタリアートにはキャンピングカーなんて夢のまた夢、もうあきらめよう。キャンピングカーなんかやめて開運の五重塔でも買おうか、いやいっそうのこと蟹工船にでも乗り込もう・・・。
第2次クレソンの戦いも敗色濃厚です。心も挫けあきらめかけたのですが、ここで転換点が訪れます。敵(優しく美しい妻)もジンジャーのような駄々っ子のゴリ押しに疲弊したのか「勝手にしろ変態デブ」「好きにしろ馬鹿」と呆れながらもお許しの言葉が・・・
そして購入へ・・・
ペッパーのような純真な思いとジンジャーのような懸命な努力(執拗な嫌がらせ)が功を奏し、
会社の係長昇任試験に合格すること。
ハチドリの涙しかない家の預貯金に手を触れることあたわず。低金利の有利な資金を自ら調達し無理のない返済プランを示すこと。
最低10年は車を買わない、小遣い廃止etc…を誓い、証文を差し出すこと。
という条件でやっとOKがでました。
その後、人参ぶら下げた馬のように係長昇任試験はあっさり突破(競争率8倍)。問題は資金です。webで情報を探したところ、その当時、最も有利な自動車ローンを出していたのは、みちのく銀行でした。まさか東北まで借りに行けないなと思いながらHPを覗いて見ると、何と職場の近くに埼玉支店が。天祐とばかり仕事を抜け出して融資の交渉、なんとか話がまとまり資金面もクリアしました(長期ローン)。 そして最後にカラ証文をデスピサロ(”優しく美しい妻”のメタファー)に提出してミッション終了。キャンピングカーはついに我が手中に。
2003年11月15日、無事、クレソン typeW が納車されました。そしてここから2匹と二人のキャンピングカーライフがスタートしたのです。
御家族の説得に苦労されている方に僭越ながら贈る言葉
「至誠通天」(←どの口が言うか)
「話せばわかる」(←問答無用、撃て!)
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