北海道への新たな道、宮古ー室蘭フェリー航路6月開設

silubakuin キャンピングカー
出典:シルバーフェリー
シルバーフェリーのシルバークインにキャンピングカーで乗り込むところ

シルバークインにいざ乗り込まん

この夏から北海道へ渡るルートが増えます。シルバーフェリーが新航路

さよなら、ゴールデンウイーク。待ってろ夏休み。夏のバケーションの計画をそろそろ本気で考える時期になりましたね。
夏のキャンピングカーのディスティネーションは、やっぱり北の大地北海道。今年も多くのキャンピングカーが海を渡り北海道を目指されること思います。
ところで、北海道といえば今年から北海道へのアクセスルートが一つ増えることはご存じでしょうか。
本州と北海道を結ぶ新たなフェリー、宮古―室蘭航路が2018年6月22日から運行を開始します。
最近はキャンピングカー界隈の話題に疎いので、いまさらな話だったらすみません。でも、寂しい話題が多い長距離フェリー業界で新航路ができるなんて非常におめでたい話。知らない人がいるかもしれないので書いときます。

宮古‐室蘭フェリーの概要

宮古―室蘭航路は、八戸―苫小牧航路を運航しているシルバーフェリー(川崎近海汽船)が新たに開設するもので、ながーい三陸海岸の中間ぐらいにある岩手県宮古市と鉄のまち北海道室蘭市を結ぶ航路です。
太平洋側から北海道へ渡るルートは、首都圏から近い順に、1.茨城県大洗港発、2.宮城県仙台港発、3.青森県八戸港発の3つがありますが、新ルートは2.仙台港と3.八戸港の間を埋める航路となります。

タイムスケジュール

1日1往復の設定で所要時間はちょうど10時間。タイムスケジュールは次のとおりです。
 宮古 08:00発 → 室蘭 18:00着
 室蘭 20:00発 → 宮古 06:00着

料金

料金は、距離が長い分だけ八戸―苫小牧航路より少し高くなっています。

旅客運賃()内は八戸―苫小牧航路

 特  等  15,000円 (12,500円)
 1  等  12,000円 (10,000円)
 2等寝台B  8,000円 (6,500円)
 2  等   6,000円 (5,000円)
 

車両運賃

 5m未満  26,000円 (25,000円)

川崎近海汽船シルバーフェリーのシルバークインの特等室

シルバークインの特等室

就航するフェリー

使用されるフェリーは、1997年就航の「シルバークイーン」です。この船は最近まで八戸―苫小牧航路で活躍していましたが、新船「シルバーティアラ」のデビューにあわせ引退。このたび宮古‐室蘭航路に転用されることになりました。
私も特等室を利用したことがありますが、豪華ではないものの使いやすく機能的な船です。
レストランは冷凍食品の自販機のみ。2等寝台定員60名に対しドライバーズルームは90名収容とどちらかというとトラックドライバー寄りな感じですけど、大浴場もあるし共用電子レンジもあるので、シンプルに旅するには便利で快適なフェリーだと思います。

宮古‐室蘭航路のいいところ

さて、キャンピングカー乗りにとっての宮古―室蘭航路のメリット、魅力はどんなところでしょうか。素人が適当に考察してみます。

首都圏に近い

やっぱり、最大の魅力は首都圏に近いのでアクセスがしやすいこと。首都圏からだと八戸に行くより50km近くなり、運転が楽になります。
ただし、宮古までのアクセス道である三陸自動車は現在工事中で、ところどころぶつ切れで暫定供用している状態。今年度中に開通する区間もたくさんあるようですが全線開通はまだ先のようです。
本当に八戸よりアクセスしやすいのか、現状では何とも微妙ですね。ただ、無料区間が長いので高速料金は八戸に行くより安く上がるでしょう。

宮古港と八戸港のアクセス比較

八戸に行くより少し近くなる 出典:シルバーフェリー

自走区間と航路のバランスがいい

往路復路ともに10時間という所要時間は、なにげに絶妙でグッドかもしれません。
所要約4時間の青函航路だと長いキャンピングカーでの自走時間に比べて短く、ちょっとした仮眠しかできず疲れが取れません。
八戸―苫小牧は8時間とちょうど良さげですが、酒盛りしたり風呂に入ったりしていると意外と睡眠時間がとれません。
一方で仙台航路は15時間、大洗航路は18時間と船上で拘束される時間が長いといえば長い。
宮古‐室蘭航路の10時間であれば、ゆっくりと食事して、フルに休息がとれます。特に復路は夜20時まで北海道に滞在でき、たっぷり睡眠をとったうえで朝6時に宮古に上陸しますので自宅への帰路も体力十分。翌日の職場復帰にも悪影響を与えません。
ちょっと無理やりですが、宮古‐室蘭は自走とフェリーのバランスが良い航路といえるでしょう。

室蘭の夜景が海上から楽しめる

最後に、おまけ的なメリットですが、復路室蘭20時発に乗れば、日本5大工場夜景といわれる室蘭の夜景を海上から楽しめます。
船に乗る前には、これまた日本3大焼き鳥といわれる「室蘭やきとり」を楽しみ、船上で工場夜景を愛でる。なかなかオツでありますな。

新航路で一味違った北海道キャラバンを

ちなみに私は、北海道へは何度も行っているけど室蘭には行ったことがありません。
室蘭には夜景のほか地球岬や白鳥大橋などの見どころがあるものの「北海道らしさ」という点ではいまひとつな気がしていつも素通り。そんな人が多いのではないでしょうか。
港町としての魅力は苫小牧より格段上だと思いますので、気分を変えて一度室蘭に行ってみるのも面白いかもしれません。
もちろん、宮古も浄土ヶ浜など超有名な観光地がある風光明媚なところ。新しい航路を上手く使い、これまでとは違ったキャラバンルートを考えるのも楽しそうです。

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