キャンピングカーで渡る津軽海峡
前回、北海道へ渡るフェリーについて雑な記事を書きましたがその続編。実際に私が犬連れキャンピングカー旅行で利用した際の雑感などを航路別にご紹介します。
第1弾は青森―函館航路です。
安い・便利・ペットに優しい
かつて日本の大幹線だった青函連絡船はトンネルの完成により廃止されましたが、現在においても津軽海峡フェリーと青函フェリーがそれぞれ8往復、計16往復のフェリーを運航しています。
青森―函館間の距離は113km。所要時間は船便によって異なりますが、3時間40分~4時間と短時間で北海道に到着。
24時間運航していますので、超繁忙期でなければ、予約なしで行っても2~3時間も待てば乗れてしまうとっても便利な航路です。
また、なんといっても乗船時間が短いのはペット同伴キャンパーにとってメリット大。津軽海峡フェリーなどは「わんこ対応フェリー」なるペットの乗船に配慮した船を就航させています。
運航会社
津軽海峡フェリー
東日本フェリー→道南自動車フェリー→津軽海峡フェリーと変遷。東日本時代からのイルカがトレードマークです。
わんこ対応フェリーもそうですが、昔から新機軸ともいえる様々な旅客向けサービスを展開しており、観光客の多くはこちらの船を利用しているのではないでしょうか。
就航船は次の4船。カッコ内は建造年です。
- えさん2000 (2000年)
- びなす (1995年)
- ブルードルフィン (1994年)
- ブルーマーメイド (2014年)
「ブルードルフィン」は2010年に就航しましたが、元は東日本フェリーが建造した「ほるす」です。一度パナマに売却され韓国の会社が使用した後、また戻ってきたという数奇な船で、内装をいじり新塗装になりましたが、実際の建造年はえさん2000より古いです。
青函フェリー
共栄運輸(株)と北日本海運(株)が共同運航するフェリー。どちらかというと観光客よりトラックドライバー優先のような雰囲気です。
就航船は次の4船です。2社ともなぜか今はなきブルートレインのような船名ですね。
- はやぶさ (2014年)
- 3号はやぶさ (2000年)
- あさかぜ21 (2009年)
- あさかせ5号 (1998年)
青函フェリーの予約は、いまだに窓口か電話のみ。ネットでは予約できません。
昔は一般観光客が予約の電話を入れると「うちはトラックのお客さんがメインでサービス良くないですがいいですか」と念を押されたとか。
面白いのは、通常、観光客は入れてもらえないドライバーズルームを青函フェリーは一般客にも解放しています。2014年新造の「はやぶさ」はドライバーズルームを真のトラッカー区画と偽トラッカー(観光客)区画とに分けているようです。
オススメの船
わんこ対応
ペット連れなら、わんこ対応フェリーを謳う津軽海峡フェリーが安心。
「ブルーマーメイド」と「びなす」には、犬と一緒に過ごせる個室「プライベートドッグルーム」をそれぞれ2室完備しています。
この個室、一室につき犬2頭が入室可能です。これは日本のフェリーでは他にない画期的なこと。多頭飼いにも配慮してくれています。
ただし、「びなす」は大型犬不可。「ブルーマーメイド」も大型犬2頭はダメなようです。
犬との同室にこだわらなければ
青函フェリーの新造船「はやぶさ」はカーペット室だけでなく、リクライニング席や女性専用ルーム、個室などが設置され一般旅客にも配慮した作りになっています。
私自身、まだ乗っていないませんが、新しく綺麗で評判は上々の様子。
旅客運賃、車両運賃とも青函フェリーの方が少し安くなるケースが多いので利用価値大です。青函フェリーは20%オフキャンペーンとかをやっていますので、うまく使えれば「はやぶさ」が断然お得。オススメです。
なお、凍えそうなカモメ見つめ泣きたい人は「あさかぜ5号」あたりでしょうか。
料金体系はちょっと複雑
津軽海峡フェリーより青函フェリーの方が料金が少し安いと書きましたが、両社の料金体系が微妙に異なるため、時期や車両の長さ等によって金額が変わります。予約前によくチェックしてください。
例えば、津軽海峡フェリーの運賃は3シーズン制で繁忙期には高くなります。一方、車両航送料金は、津軽海峡Fが車両長6m未満は一律料金なのに対し、青函は5m未満、6m未満の1m刻みのため、5mを超えると津軽海峡Fより高くつくかもしれません。
要注意!東日本フェリーで経験したペットに優しくない事態
北海道犬連れデビュー時の失敗
キャンピングカーで初めて北海道へ渡った時の話です。
犬連れフェリー旅行の経験がなかったこともあり、犬への負担を考えて航路は往復とも青森―函館の東日本フェリー(当時)を選択。青森フェリーターミナルでは散歩を入念に行い、車内の換気にも十分気をつけましたので4時間程度の留守番は何の問題もないと思っていました。
函館に到着してキャンピングカーが駐車してある車両デッキに降りると、周りのトラックはすでに準備万端のアイドリング状態です。
私もクルマに向かい犬の様子を確認すると、2頭とも元気がありません。特にジンジャーはぐったりしています。
原因は排気ガス
原因はすぐに分かりました。
キャンピングカーに乗り込むと車内が排ガス臭い。周りのトラックの排ガスが車内に入り込んだため、気分が悪くなったのです。
しかし、函館に到着間際のアイドリングによる排ガスでここまで調子が悪くなるとは思えません。
犯人はトラック?
これは私の推測ですが、青森―函館航路は距離が短いため、トラックから降りずアイドリングしたままま車内で寝てしまうドライバーが居る気がします。
また、冷蔵冷凍車などはトラック車載の発電機を回しっぱなしにしているんじゃないでしょうか。
長距離航路では、こうしたトラックは船舶側から電源の供給を受けていますので発電機を回し続けることはあり得ませんが、当時の青森‐函館航路ではそうした設備があるようには見えませんでした。
いくら車両デッキが換気されているとはいえ、アイドリングしているトラックに4時間も囲まれてしまったら、体調を崩すのは当然です。
ペット連れの場合は注意
我が家の場合、換気のことを考えファンタスティックファンを回していたことが裏目に出ました。一生懸命換気に努めたことで、外の汚い空気を車内に引き込んでしまいました。
上記は、ごく個人的な体験で推測にすぎない部分もありますが、犬連れ、ペット連れの方はこんなケースがあったということの頭の隅に置いていただければと思います。
距離が短く犬にやさしいはずが、短距離航路ゆえに犬に負担を掛けてしまうケースがあり得るのです。
コメント
大事なペットが排気ガスで中毒起こしては大変ですね。
2-3時間だったら、室内換気しない方法も有りかもしれませんね、ペットルームでも慣れない小型ペットは萎縮してしまいますから、我家の場合では車内のほうが落ち着くと思います。
レオじじい様
そうなんです。この経験から、青函航路を利用する際は車内を締め切ることにしました。その代わり、効果のほどは分かりませんが、水と薬剤を反応させて酸素を発生させる簡易酸素発生器を購入し、車内に設置しています。
過去の話で現状はどうか分かりませんし、換気はされているので生命の危険にまで及ぶことはないと思いますが、運が悪いと排ガスで犬に負担がかかりますので気をつけています。
オォー!そんなこともあるんですね
排気ガスが充満なんて、、人間でも苦しいのに・・・
勉強になりましたです
知らなかったら、窓も少し開け、ガンガンに換気したと思いますから
気梨様のブログを拝見して、車内残留と思ってたんですけど
9月の車内の室温ってどうなの???と不安もあり
(心臓病なので、暑いところにおいておけないんです)
我が家のワンコは意外とトリミングなどでケージに慣れているので
ドッグルームの方がいいかな~と
で、津軽海峡フェリーで往路をWeb予約しましたけど
ドッグルームは通常通り2ヶ月前からしか予約できないそうです
どうしてWebで一緒に予約させてくれないんですかね
2度手間、いや復路の分もあるから4度手間で
面倒くさいです(笑)
これからも色々教えて下さいませ
個人的には、北海道の経験話しをリクエストします(笑)
さとうゆき様
青森-函館なら時間も短いですし、ゲージに慣れてるならそちらのほうが安心です。昼間の移動ならなおさらですね。私もこの航路ならゲージを選ぶかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。