最後の楽園か最悪の独裁国家か
昨日、アメリカとキューバの国交回復を目指すという報道がありました。
中間選挙でぼろ負けした大統領がレームダック打開のため外交に走るのはよくあること。オバマ大統領は50年以上国交断絶し経済封鎖していた「テロ支援国家」「社会主義独裁国家」のキューバと仲直りすることで歴史に名を残すワケですね。
アメリカの喉元に突き刺さった反米国家キューバも青色吐息のようです。ソビエトの崩壊後は経済的に行き詰まり、最後の頼みの綱のチャベスも死亡。革命から国を引っ張ってきた(独裁者)フェデル・カストロもすでに88歳、弟のラウルも83歳を過ぎ、いつ何があるかもわかりません。
冷戦も終わり「イデオロギー」なんて言葉が死語になりつつある中で、隣国同士いがみ合っているなんて愚の骨頂。国交正常化は歴史の必然なのでしょう。
2008年、前々から興味があったキューバに行ってきました。アメリカからは直接入国できないので、メキシコ経由で入国しました。
巷間言われていたとおり物資は不足し公共交通網もないに等しく夜は真っ暗。確かに経済的には貧しい国でした。
しかし、キューバには太陽と美しい海、サルサにラム、そして底抜けに明るく楽天的だけどしたたかなラテンの人びとの熱気がありました。
無責任かもしれませんが、観光客からみるとまさに最後の楽園。私にとっては非常に印象の強いディスティネーションでした。
アメリカとの国交正常化がうまくいけば、疲弊したキューバ経済はきっと回復するでしょう。キューバにとってはいいことです。
ただ、個人的には一抹の哀しみを感じずにはいられません。
渡航の自由化を大統領権限で押し切るのは難しそうなので、これから先、議会との間で紆余曲折があるでしょう。
しかし、いずれはアメリカから大量の観光客と資本が押し寄せるのは確実。あっという間にHard Rock CafeとStarbucksだらけになるのは目に見えています。
来年のGW以降は老犬介護に専念するため海外旅行には出かけないと決めたのですが、オバマ大統領の発表で心がざわついています。
キューバがアメリカの庭になってしまう前にもう一度行きたい。
物がなく不自由だけど、平等で楽天的なラムと音楽とラテンの熱い血の国へ。
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